密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
『コーヒー、入ったよ。お砂糖とミルクはどうする?』
『ネルドリップは初体験だからな。ブラックで飲みたい』
『はーい。っていうか、いい加減起きたら? まだ服も着てないし』
湯気の立つマグカップをふたつ手にした雛子が、呆れた顔で歩み寄ってくる。
そういう彼女も、下着の上から大きめのTシャツをかぶっただけの、無防備極まりない姿。
ベッド前のローテーブルにコーヒーを置いて床に座り、なにげなくこちらを振り返ったその顔に朝からときめいて、ベッドに引き込みたくなる。
……が、せっかく淹れてくれたコーヒーを飲んでからにしよう。
上半身を起こした俺は、手を伸ばしてテーブルからマグカップを取る。最初は鼻を近づけて香りを嗅ぎ、それから少量のコーヒーを口に含むと、舌の上に広げて味わった。
『香りは強いが、まろやかで口当たりがいいな。……確かに、ペーパードリップとは違うおいしさだ』
『よかった。丁寧に淹れた甲斐がある』
両手で包み込むようにマグカップを持つ雛子が、ふわっとやわらかな微笑みを浮かべる。
それがあまりにかわいい笑顔だったので、今度こそ本気で欲情した俺は、雛子の手からカップを奪い、自分の物とともにコトリとテーブルに置いた。