密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
玲士の強い眼差しが、私をまっすぐ射貫く。
信じられない思いで瞬きを繰り返す私に、彼が少し目を細めて付け加える。
「ただ、あくまでこれはSAKAKIコーヒーの店舗だ。雛子の望んでいた〝自分の店〟とは違うのかもしれない。しかし、企業だからこそ、すでに培った企画力や集客力を駆使して、より多くのお客さんを喜ばせることができる。その辺り、シビアに天秤にかけてもらって構わないから、真剣に考えてみてほしい。この計画に協力してくれるかどうか」
純粋に自分の店を持ちたいか、それとも玲士の会社に属して理想を叶えるか。
私の希望は、どっち? すぐには答えが出せるものじゃないけれど……。
「もし、断ったらどうなるの?」
「雛子の協力が得られないのなら、仕方ないが諦める。SAKAKIコーヒーの目指すべき別の道を、また模索するよ。もともとこれはきみのアイディアだからな。ただし、諦めるのは店の方だけだ」
「えっ?」
〝店の方だけ〟って……どういう意味?
小さく首を傾げた私を見据え、玲士がはっきり告げる。
「雛子自身のことは、どうあっても諦める気はない。俺は、必ずきみを手に入れる」