密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
「赤くなってる。なにを想像したんだ?」
テーブルの向こうから玲士がからかうように尋ねてきて、私はとっさに首をぶんぶん横に振る。
「べっ……別になにも! ほら、食べようお料理!」
「わかりやすくてかわいいな、雛子は」
ダメだ、完全に手のひらで転がされてる……。
私の胸の内を全部見透かしたかのような彼の態度が悔しくて悶々とするが、ふと口に入れた天ぷらがとてもおいしかったので、私はあっさり笑顔になった。
「おいしい~。この帆立、甘くてぷりぷり!」
「よかった、気に入ってもらえて」」
思えば、こんなふうにちょっと豪華な食事をするのって、煌人を産んでから初めてかもしれない。体だけでなく、心に栄養が注がれていく気がする……。
「ありがとう、玲士」
「ん?」
「今日の買い物、もしひとりだったら、お昼はたぶんハンバーガーとか牛丼とかで済ませてた。でも、誰かとゆっくり美味しいものを食べるのって、やっぱりいいなって思って」
「ああ。そうだな」