密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~

 玲士と目を見合わせ、どちらからともなく笑顔になる。まるで、付き合っていた頃に戻ったみたいな、穏やかな空気が私たちの間に流れる。

 ここに煌人がいたら、どんな感じかな。いくら父親だといっても、最初は緊張するよね?

 逆に玲士の方は、我が子を前にしてどんな顔をするんだろう……。

 美味しい料理に舌鼓を打ちながらあれこれ想像を膨らませていると、少しずつ、三人で過ごす未来も悪くないもののように思えてくるのだった。


 ゆっくり食事を楽しんだ後はドライブを楽しみ、約束の十七時より十分早く、玲士の車はアパートの前に着いた。

 動物園に出かけていた兄と煌人はまだ電車に乗っていて、二十分後くらいに着きそうだとさっきメッセージがあった。

「送ってくれてありがとう。それと、ご馳走さまでした」

 シートベルトを外して車を降りる前に、改めて玲士にお礼を言う。玲士は片手をハンドルに預けたまま、軽く微笑む。

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