密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
「わかった。煌人に言っておくね。今年は特別にサンタさんが家まで来るって」
「……ありがとう、雛子」
本当にうれしそうに目元を緩める玲士を見ていたら、胸がほわっと温かくなった。
息子のことだとそんなふう笑うんだって、新たな発見をした気分だ。
「うん。じゃあ行くね」
「またな」
今度こそ車を降りて、アパートの建物に向かって歩き出す。そして外階段を上る直前、なにげなく車の方を振り向くと、窓を開けてこちらを見ていた玲士と目が合い、ドキッとした。
照れながらも手を振ると玲士も軽く手を上げて微笑んでくれ、私の胸に甘酸っぱい気持ちが満ちていく。
この、懐かしい感情……私、このまま育てていいのかな。
自問自答しながら階段を上がって、私は誰もいない静かな自宅のドアを開けた。
その日の夕食は、煌人と私、それに兄も交えた三人で鍋をつついた。
煌人は動物園で相当はしゃいだらしく、興奮気味に今日の出来事を話した後、お腹がいっぱいになるとすぐに寝てしまった。