密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~

「今日はありがとね。煌人は抱っこも重くなってきたし、言葉も達者になってきて疲れたでしょう?」

 食卓が静かになったところで、兄のグラスに缶ビールを注ぎながら尋ねる。兄はそれに口をつけ、小さく息をついてから口を開く。

「いや、全然。わりと自分で歩いてくれたし、煌人はもともと聞き分けもいいしな」
「そう。ならよかった」
「雛はどうだった? 元カレとのデートは」

 事前に状況を話してあった兄に淡々と問いかけられ、私は「うん……」と返事をして話しだす。

「正直、楽しかった……かな。それに、いろいろ私が勘違いしていたのもわかって、ずっとモヤモヤしていたものもなくなった」
「よかったじゃん」
「うん。それとね……彼に言われたことで、お兄ちゃんに相談なんだけど」
「相談?」

 キョトンとする兄に、私は玲士に提案されたSAKAKIコーヒーの新店舗についての話をした。彼が責任者として私を雇うつもりであることも含め、兄の冷静な意見を聞きたかった。

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