密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
「なるほど。実現したら、雛にとってはかなり魅力的な店だな」
ひと通りの情報を聞いた兄は、そう言ってしみじみ頷いた。
「うん、そうなの。だけど……そこに勤めたら、自分のお店を持ちたいって思ってた、今までの夢を裏切る感じがしない?」
「なんだそれ。別に自分の夢なんだから、裏切りもなにもないだろう。そもそも、雛が一番やりたいことって、本当に自分の店を持つことだったのか?」
「え……?」
兄の言わんとすることがよくわからず、私は首を傾げた。
「バリスタと経営。どっちかしかできないって言われたらどっちにする?」
「そりゃもちろん、私はコーヒーを淹れたいよ」
即答した私に、兄はしたり顔になる。
「だろ? だったら、今までの夢を裏切るとかごちゃごちゃ考えてないで、まずはやってみればいい。それで、やっぱり自分のやりたいことと違うってなったら、その時は自分の店を持つことを考えればいいんじゃないか?」