MATSUのごくありふれた平凡な日々

その男性社員も、新婚の奥さんが迎えに来てくれたと、だらしない顔をして去って行った。

「すいませんね~、可愛げが無くて。
 男がいないからって、余計なお世話だっての」

松はぶつぶついいながら、若干、体を揺らしながら、歩いていく。

「ふう。
 喉が渇いた」

松は自動販売機を探す。

代わりに目に入ったもの。

「うわー、いい男」

ふらふらと歩み寄ると、がばりと抱き着いた。

「なんか、固い・・・。
 ってか、薄い?
 ん?」

体を離してよくよく見ると、保険会社が作っている俳優の等身大のパネルだった。

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