MATSUのごくありふれた平凡な日々

「なんで。
 なんで!」

異動の辞令の紙を握っている手が震えていた。

「松さん、これからよろしくお願いしますね」

どこからか暁が現れて、にこやかに笑った。

「なにこれ!
 こんなの今まで無かったじゃない」
「もちろん上司にお願いして、設けてもらったんです。
 営業に力を入れるには、やっぱり事務補助者がいないと」

別名、"営業部の奴隷″

「馬車馬のように働くことになったんですから、責任、取ってくださいね」

暁は身を屈めると、そのいい声で松の耳元に囁いた。

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