MATSUのごくありふれた平凡な日々

「松さんも、当然、こっちですよね」

なんだか、一々カチンと来るのはなぜだろう。

「いえ、結構です。
 私はこれを飲むんで」

なので、松は手にしていたチュウハイを口にした。

暁はメニューを手にすると美紀をちらりと見上げた。

「おすすめは?」
「ああ、そうね」

美紀の綺麗にネイルが塗られた指先がメニューを指さして、説明するのを眺めていると、ふと瑠衣と目が合った。

不自然に反らされる。

あ、絶対、同じことを思った。

松はぐふふと笑うと、から揚げを箸で取ろうとした。

すいっと箸先でから揚げが逃げて、暁の口へと消えていく。

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