MATSUのごくありふれた平凡な日々

美紀はスルメを取っていた手を止めた。

「そうなの?」
「だって、安いのに可愛かったから、これでいいかなって、つい。
 前年度決算、下方修正だったから、ボーナス下がったし」
「あ、そっちね。
 ってか、合わないのつけると、胸の形、崩れるよ」
「わかってるけど。
 背に腹は代えられないし」

松は強く言って、ジョッキを空にした。

秋の台風前に雨漏りを何とかしないといけないのだ。

このごろ祖母の足元があやしいから、廊下に手すりも付けてあげたいし。

一般事務の薄給だと、公的補助があっても、色々な事には回らない。
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