MATSUのごくありふれた平凡な日々

一家離散。

その言葉は松の心を刺した。

微妙に視線を外して俯かせる。

“松、ごめんね”

小さい頃に言われた母の声が蘇る。

息を吸って、吐いて。

松は胸の内で繰り返して唱える。

「だから、私怨。
 おまえたちは関係ないし、そういう意味でも巻き込まないように、僕と美紀は責任をとって辞めたんだ。
 会社も生贄がいた方が、その後立て直し易いから」

巻き込まないよう。

責任取って・・・?

松はがばりと顔をあげた。

< 94 / 107 >

この作品をシェア

pagetop