MATSUのごくありふれた平凡な日々

小声で茶々を入れる。

「あんたたちね!」

松は瑠衣とガブリエルに掴みかかった。

2人は笑いながらかわすのに、必死に追う。

なぜ座ったままなのに、するすると逃げられるのか。

「まあ、そこまで松さんに懇願されたら、しょうがないですね」
「はあ?」

物凄く不本意な言葉が聞こえて、振り返る。

暁が晴れ晴れとして笑っていた。

久々に暁の飾らない笑顔を見た気がして、松は固まった。

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