急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!

あの俺様の若様が、自分を心配してくれている…そう考えたら、なぜか亜里砂の心の中がふわっと暖かくなり、次の瞬間、ドキドキして耳まで赤くなった。

真っ赤になり、思わず唇の端が上がってしまっていたのを、亜里砂の様子を窺う美幸が目敏く見つけていたが、亜里砂は全く気づいていない。

「あーちゃん、あなた…なにか…」

「大丈夫です。47階の、前職で同期だった柳谷君とも、連絡をとって会おうとしなければ、タワー内でばったり会うことは、この二年間、一度もなかったんです。
池澤とだって、そうそう会うことは無いですよ…」

(でもツチノコの筈の若様とは、なぜか偶然にも毎日、会っちゃうんだよね…)

「向こうは会おうとして来るかもしれない。
用心するに越したことはないわ。気をつけて!
あの男にまた何かされたら、次こそは絶対に訴えてやるわよ!」

「はい…」



そんな美幸の心配が杞憂に終わらなかったとわかったのは、それから三日後のことだった。


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