急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
(どうして一時でも…こんな男と結婚しようなんて思ったんだろう…。
いくら同僚の前で告白され続け、断り辛くなっていたとはいえ…どうしてこの男と付き合うことを受け入れ、好きかもしれない?と一時でも思えたんだろう…)
二年間…何度も何度もそう思い続け、ずっと後悔してきたが…。
この男がこんな狂気を隠していたことなど、二年前のあの時でさえ気づかなかった。
だって!何もかもが相容れない!
理解ができない!
今もかつても、自分の気持ちを押しつけるだけ押しつけて、亜里砂の気持ちなんて考えもしない。
そもそも女に手をあげる男なんて最低だ!
しかも『死んでくれ』なんて…。
(あ…男に手をあげた女もいたんだわ…)
亜里砂は、若様の頬を打った夜を思い出して、心中でまた猛省する。
(でもあの人は打たれて嬉しがる人みたいだけど…)
三吉涼香に、捨てたと言っていた自分の服を着させ、髪型や雰囲気も似せさせていたのは、自分の気を引くためだったと言っていた。
当時を思い出し、亜里砂はまた震える。
あの只々、ひたすら気持ち悪かった一連の行為が、自分の気を引くため?
常軌を逸してる!
そんなので気を引けるわけない!
別の意味で気は退く!ドン引きだ。
そんなことをして愛してもらえると思っていることが一番怖い。
そういえば…
亜里砂の脳裏に、つい最近…自分の気を引きたいため、頬に態と湿布を貼っていたんだと、少し拗ねたように頬を染めながらカミングアウトした男の顔が、ぴょこんと浮かんだ。
(あれは…ちょっと、ギャップ萌えというか…可愛くてキュンときたな…)