急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!

若様の告白を思い出し、一瞬だけ顔を赤くし惚けてしまった亜里砂の表情を見て、池澤は何を勘違いしたか、嬉しそうに甘く優しく言う。

「ほら、やっぱり後悔しているんだな。俺を捨てたこと…。
だけど大丈夫だって。亜里砂は今度こそちゃんと俺と結婚して…ゆっくり時間をかけて…俺を愛してくれればいいんだ…」

「なんで私が貴方を捨てたという話になってるんですか!そして、二年前、あんなに嫌な思いをさせられた私が、どうして貴方とまた結婚したいと考えると思えるんですか⁉︎」

「君の同期のやつに聞いたよ。君は俺と別れた後、誰とも付き合わず、ずっと一人でいたんだってな?結局…俺が忘れられなかったってことなんじゃないのか?俺みたいにいい男なんか、中々いないことに、漸く気づいたんだろう?」

(それってどんな自信?確かに忘れられなかったのは事実だけど!そういう意味でじゃないわ!)

「なあ、亜里砂。俺、ようやく離婚もできたことだし…今度独立して事業を興そうと思ってるんだ。
親父や兄貴に頭を抑えられて生きるのは、もういい加減ウンザリなんだよ」

「へぇ…そうなんですか…」

(私は、あなたとこんな風にここで話していることにウンザリなんですけど…)

どうでもいいという返事をする亜里砂の両肩に手を置いて、池澤は亜里砂を自分の近くに引き寄せ、亜里砂の顔を覗きこんだ。
池澤にキスでもしそうな距離まで、グイと顔を近づけられ、亜里砂は思わず顔を背ける。

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