急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!

さらにもう三度、父親に頬や頭を殴られ、池澤が床にドサっと倒れたところで、もう一人の人物が、その頭を靴でグリグリと踏みつけながら怒鳴る。

「貴様は!帰国早々、私達にどこまで恥をかかせれば気が済むんだ!父さんの前で言うのも何だが…これだから愛人の子はダメなんだ!もういいから、お前はここで腹を切って、一護の若様にお詫びをしろ!」

「に…兄さ……ごめ…なさ…いッ!」

池澤の声に涙が混じる。


「いい加減にやめろッ!見苦しいぞ!」

その光景を、ソファーに座ったまま不愉快そうに見ていた大也が、親子を一喝した。

「お二人とも…いい加減にして下さい。暴力はいけません。警察を呼びますよ。
全く…床が血で汚れてしまうじゃないですか。そして池澤さん、ここで腹を切るのはやめてください。後始末が面倒ですので、どうしてもと仰るなら他所でどうぞ。うちのお掃除の方に迷惑をかけないでください」

山藤が眉を顰めて淡々と言う。

「貴女は…一護の藤姫様!もっ、申し訳ありません!公平!ほら、立て!床が汚れてしまうじゃないか!」

倒れた池澤の頭を踏んづけていた兄と呼ばれる男が、慌てて飛び退き、池澤の腕を乱暴に引いて立ち上がらせ、ぐいっと池澤の頭を押さえ頭を下げさせながら、自分も膝に額がつくくらい深く頭を下げた。

「こいつは私の息子なのですが、お恥ずかしいことに正妻の子ではありません。そのため公の社交の場には一度も出しておりませんので、一護の若様や姫様のお顔を知ることなく…この度は大変無礼なことをしてしまったようで…誠に申し訳ございませんでした」

池澤の父親も同じように横で頭を下げるのを見て、山藤が「あの〜質問なんですけど…」と手を挙げた。

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