急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「悪い…女…?」
大也の眉がピクリと跳ね上がり、黒曜石のような瞳がスッと細まった。
「因みにその悪い…という女性の名を伺っても?」
(ワンチャン横入りをした元嫁の三吉涼香という可能性もあるか)
だったら少しは手を抜いてやろう…そう考えた大也の期待はすぐに裏切られる。
「いや…二年ほど前までうちの社員だった女です。此奴に横恋慕し、可愛い嫁に自殺未遂を起こさせるほどの嫌がらせをしたため、会社をクビにしてやりましたが…。結局それでケチがついてしまい、此奴の結婚生活もとうとう破綻して…お恥ずかしい話ですが、つい先日離婚に追い込まれてしまったのです。本当に忌々しい。とにかくあの女の名など、若様のお耳をお汚しするだけですので…」
「……っ!」
(池澤の離婚まで亜里砂のせいにしているとは…)
「はぁーーっ、では単刀直入に訊く。加納亜里砂という名前に心当たりがあるか?」
「は⁉︎なぜ若様が、あの女の名をご存知なのですか?」
「『あの女』というからには…加納亜里砂が、あなた達の言う『悪い女』という事で合っているんだな?」
「は…はい」
池澤の父親と兄は、どこか不安そうに目を見交わした。
「彼女は今、このベリータワーで働いているんだ…」
「ええ⁉︎……はッ!まさか!公平!だからお前、帰国したばかりなのに、本社ではなくここの支社に異動を願い出たのか⁉︎この大馬鹿者が!」
「まだあの女に未練があったとは!もう忘れろと何度も何度も言っただろう!本当に情け無い!」
「おかしいな…」
ハッとしたように父子が大也の方を見る。