5年越しでも俺の気持ちは変わらない




____生徒がほとんど帰路についた放課後の学校。



転入の手続きを済ませた俺は学校内を見学していた。




桃と同じ学校なのかは結局分からないまま…。


今は希望に賭けるしかねぇな…。



そんなことを考えてる時だった




……っ!!



目の前の階段で重そうな書類を抱えた女が急に落ちてきた。


…っぶねぇ って…


は…?



俺はもう何も考えられなくなった。


目の前にいるのが紛れもなく桃だったから…





5年前の面影はもちろんあるが、あどけなさは消えてた。


目の前にいるのは俺が雑誌で見ていたあの桃だ。




一方的に成長した桃を見てはいたけど…


桃の目を疑いたくなるほど綺麗な顔に吸い込まれそうになる。



動揺して上手く喋ることすら出来ない。






まさか… 奇跡だ…


俺はその瞬間、これ以上ない幸せを噛みしめた…








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