北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「おお」
父親がきらりと目を光らせる。
「自分で建てた?」
「いえ、祖母の家を譲り受けました」
「新しく建てないの?」
「いまで充分いい家だから必要ないの」
「私はもうすぐ定年退職やけど、そちらのご両親は」
「父はフランスで観光と輸入代行の会社を経営しています。母は子供のころに亡くなりました」
女性陣の鍔迫り合いをよそに男性陣が冷静に進めた話の内容が、少しだけ母親の調子を落とす。
「じゃあそちらのお父さんにご挨拶、どうすんの」
「先週したよ。オンラインで」
「テレビ電話ってこと?」
「そんな感じ」
父親がきらりと目を光らせる。
「自分で建てた?」
「いえ、祖母の家を譲り受けました」
「新しく建てないの?」
「いまで充分いい家だから必要ないの」
「私はもうすぐ定年退職やけど、そちらのご両親は」
「父はフランスで観光と輸入代行の会社を経営しています。母は子供のころに亡くなりました」
女性陣の鍔迫り合いをよそに男性陣が冷静に進めた話の内容が、少しだけ母親の調子を落とす。
「じゃあそちらのお父さんにご挨拶、どうすんの」
「先週したよ。オンラインで」
「テレビ電話ってこと?」
「そんな感じ」