北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「スッキリしない」
腹を立てながら食べた東京土産の味が、まだ口中に残っている。
それが日本初進出スイーツ店の期間限定品らしいと姉が披露すると、母親は「仏壇にお供えしてくる」と言って客間を出て行ってしまった。
残った4人で互いの仕事や生活について当たり障りのない会話を続けたものの、皿や茶碗が空になっても、肝心の結論については、あれきり明言されることはなかった。
運転手の姉が暗くなる前に帰るのを口実に切り上げてきたけれど、消化不良のままだ。
玄関を出て累をふりかえると、心なしか、げっそりしている気がする。
「お土産、なににする?」
そんな累に陽気に問いかけた姉は、浮かない顔の妹たちを見て労わるような声をかけた。
「だいじょうぶだって。オトンはよろしくって言ってたやん」
「はい……」
腹を立てながら食べた東京土産の味が、まだ口中に残っている。
それが日本初進出スイーツ店の期間限定品らしいと姉が披露すると、母親は「仏壇にお供えしてくる」と言って客間を出て行ってしまった。
残った4人で互いの仕事や生活について当たり障りのない会話を続けたものの、皿や茶碗が空になっても、肝心の結論については、あれきり明言されることはなかった。
運転手の姉が暗くなる前に帰るのを口実に切り上げてきたけれど、消化不良のままだ。
玄関を出て累をふりかえると、心なしか、げっそりしている気がする。
「お土産、なににする?」
そんな累に陽気に問いかけた姉は、浮かない顔の妹たちを見て労わるような声をかけた。
「だいじょうぶだって。オトンはよろしくって言ってたやん」
「はい……」