北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「え、累さん、ここで寝るんですか」
リビングの真ん中で、凛乃が目を丸くした。
つるにこのための買い物や環境作りに夢中になっていたら、外はもう暗くなっていた。
遊び疲れたつるにこは、ソファの上で眠っている。累はとなりに座ってその背を撫でながら、うなずいた。
「だから凛乃はおれの部屋で寝て」
返事が返ってこない。曲げた指をあごに当てて、考えこんでいる。
「累さんとつるにこが仕事部屋で寝て、わたしがここで寝ると思ってたんですけど」
「仕事部屋には入れないつもりなんだ。下読みとかゆるい作業のときならいいけど、たいていは仕事にならなくなるから。おれの部屋では寝たくない?」
「わたしが累さんの私室で寝るのは、おかしいでしょう」
家政婦の顔で凛乃は言う。
累はゆうべのキスや明け方のキスが身勝手な夢だったのか、疑いを抱き始めた。
リビングの真ん中で、凛乃が目を丸くした。
つるにこのための買い物や環境作りに夢中になっていたら、外はもう暗くなっていた。
遊び疲れたつるにこは、ソファの上で眠っている。累はとなりに座ってその背を撫でながら、うなずいた。
「だから凛乃はおれの部屋で寝て」
返事が返ってこない。曲げた指をあごに当てて、考えこんでいる。
「累さんとつるにこが仕事部屋で寝て、わたしがここで寝ると思ってたんですけど」
「仕事部屋には入れないつもりなんだ。下読みとかゆるい作業のときならいいけど、たいていは仕事にならなくなるから。おれの部屋では寝たくない?」
「わたしが累さんの私室で寝るのは、おかしいでしょう」
家政婦の顔で凛乃は言う。
累はゆうべのキスや明け方のキスが身勝手な夢だったのか、疑いを抱き始めた。