北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「まえは、彼氏の話をするときでも、最後のほう、ぜんぜん笑ってなかったよ。これからのことを話してても、前を向いてなかった」
加乃子のことばが、重く響いた。
泣いた自分を知っている相手だからこそ、良い結果だけ伝えたい。勝手にプレッシャーを背負っていた。
加乃子の表情がほどけたのを見て、凛乃はそれをやっと捨てられたことを感じた。
「ねぇ写真ないの? 凛ちゃんのホームレス化を阻止してくれた救世主を見せよ」
「あー、写真きらいで、いっしょに写ってるのってこれくらいしか」
言いつつ、スマートフォンの待ち受け画面にしているデータを見せる。ピジョンリリースをふたりで見上げるあの写真の、モノクロ加工バージョンだ。
「なにこれ、もしかして結婚式の前撮り? 顔写ってないけど」
「ちがうちがう」
そう見えたことにドキリとしながら、凛乃は首を振った。
加乃子のことばが、重く響いた。
泣いた自分を知っている相手だからこそ、良い結果だけ伝えたい。勝手にプレッシャーを背負っていた。
加乃子の表情がほどけたのを見て、凛乃はそれをやっと捨てられたことを感じた。
「ねぇ写真ないの? 凛ちゃんのホームレス化を阻止してくれた救世主を見せよ」
「あー、写真きらいで、いっしょに写ってるのってこれくらいしか」
言いつつ、スマートフォンの待ち受け画面にしているデータを見せる。ピジョンリリースをふたりで見上げるあの写真の、モノクロ加工バージョンだ。
「なにこれ、もしかして結婚式の前撮り? 顔写ってないけど」
「ちがうちがう」
そう見えたことにドキリとしながら、凛乃は首を振った。