北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
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挙式前日ということもあって酒は少ししか用意していなかったのに、酒盛りは陽も高いうちから最高潮を迎えていた。
こどものころに会ったきりのはずの言造と佐佑が、まるで十年来の知り合いのように上機嫌でしゃべりまくっている。累は時計をちらりと見上げて、キッチンに避難した。
「もうお酒ないでしょ? どうする?」
冷蔵庫を開けていると、出前の寿司桶を重ねていた凛乃がそう声をかけてきた。
「いいよ。あのひとたちたぶん水でも盛り上がれる」
麦茶をがぶ飲みする累を、凛乃はクスクス笑った。
「うれしそうだね、ふたりとも」
「いい歳した同士で、はしゃぎすぎ」
あまりの騒がしさに、つるにこはどこかに隠れてしまっている。
挙式前日ということもあって酒は少ししか用意していなかったのに、酒盛りは陽も高いうちから最高潮を迎えていた。
こどものころに会ったきりのはずの言造と佐佑が、まるで十年来の知り合いのように上機嫌でしゃべりまくっている。累は時計をちらりと見上げて、キッチンに避難した。
「もうお酒ないでしょ? どうする?」
冷蔵庫を開けていると、出前の寿司桶を重ねていた凛乃がそう声をかけてきた。
「いいよ。あのひとたちたぶん水でも盛り上がれる」
麦茶をがぶ飲みする累を、凛乃はクスクス笑った。
「うれしそうだね、ふたりとも」
「いい歳した同士で、はしゃぎすぎ」
あまりの騒がしさに、つるにこはどこかに隠れてしまっている。