北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「維盛一家が式場のホテルに前入りしてるんで、合流します」
「あ、長らくお世話になりましたとか言って三つ指つくやつ?」
「あはは、そういうのはやりませんよー。さっぱりしたものです。ごはん食べるだけ」
「なぁんだ。でも離れて暮らしてたんだから、お嫁に行く前の日ぐらいは水入らず、いいよね」
「はい」
「駅まで送ってくる」
会話に割り込んで、凛乃を部屋から押し出す。
「明日楽しみにしてるよー」
襖をぴしゃっと閉めて、言造の大きな声を遮った。
「いいよ玄関までで。存分に男同士の話してて」
「……」
「あ、長らくお世話になりましたとか言って三つ指つくやつ?」
「あはは、そういうのはやりませんよー。さっぱりしたものです。ごはん食べるだけ」
「なぁんだ。でも離れて暮らしてたんだから、お嫁に行く前の日ぐらいは水入らず、いいよね」
「はい」
「駅まで送ってくる」
会話に割り込んで、凛乃を部屋から押し出す。
「明日楽しみにしてるよー」
襖をぴしゃっと閉めて、言造の大きな声を遮った。
「いいよ玄関までで。存分に男同士の話してて」
「……」