北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「ねぇ、桃ちゃんがね、可笑しいの」
自分のコーヒーゼリーを手にリビングに戻ると、凛乃が待ちかまえていたように口を開く。
「アランくんと撮った写真、ほら、式でリングガールしてくれたときのあれ、幼稚園で見せて回ってたんだって。大きくなったら本物の王子様と結婚するんだって」
「へぇ」
「初めて生で見た金髪碧眼だもんね、そう思っちゃうよね。お姫様抱っこ、してもらったし」
昨夏の挙式が、もう遠いことのような気がする。最後まで滞りなく段取りをこなすことで精いっぱいだったことしか、印象に残ってない。
たしか、みんなのまえで婚姻届けに署名したあと、フルコースのどこかのタイミングで洋装へのお色直しをして再入場した。
そのうしろからリングケースを持って登場したのが、凛乃の姪っ子だ。
自分のコーヒーゼリーを手にリビングに戻ると、凛乃が待ちかまえていたように口を開く。
「アランくんと撮った写真、ほら、式でリングガールしてくれたときのあれ、幼稚園で見せて回ってたんだって。大きくなったら本物の王子様と結婚するんだって」
「へぇ」
「初めて生で見た金髪碧眼だもんね、そう思っちゃうよね。お姫様抱っこ、してもらったし」
昨夏の挙式が、もう遠いことのような気がする。最後まで滞りなく段取りをこなすことで精いっぱいだったことしか、印象に残ってない。
たしか、みんなのまえで婚姻届けに署名したあと、フルコースのどこかのタイミングで洋装へのお色直しをして再入場した。
そのうしろからリングケースを持って登場したのが、凛乃の姪っ子だ。