北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「聞いてない? オンラインゲームでいつも待ち合わせして、パーティ組んでるらしいよ。時差があるから週3くらいで」
「けっこうな頻度」
 そういえば最近、夏にまた来日したいから泊めてくれないかと打診があった。大学で日本文化を学んでいるから、勉強の一環だろうくらいに思っていたけれど、メインの目的はちがうのかもしれない。
「つきあってるとは思わなかった」
「うんん、まだ実体がない感じみたいよ。歳の差あるし、アランくんはちょっと日本語できるけど、飯塚は翻訳アプリ頼みだから、本気度を測りかねてるみたい」
「飯塚さんって、凛乃と同い年だよね」
「うん。見た目では違和感ないとは思うんだ。飯塚は童顔だし。でも社会人と学生で、さらに超遠距離で、なかなかにハードルが並んでる」
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