北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「うん、状況証拠的にはね」
「急にウッて吐きそうになる?」
「そこまでいかないけど、胃のあたりがムカムカするのが続いてて、ほかにもいろいろ。お姉ちゃんにも訊いてみたけど、けっこう当てはまることがあるの」
「病院」
 慌ただしくスマートフォン画面を打ちだす累を止めて、凛乃が苦笑した。
「まずは自分で調べたほうがいいみたい」
 市販の検査薬があると、凛乃は言う。
 いちばん近いドラッグストアまで、自転車なら5分とかからない。
「行ってくる」
 玄関へ小走りに出ていくのを、廊下で再度止められた。
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