北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
「凛乃は明日、休みにしたんだっけ?」
「うん、午前半休」
「じゃあ、朝はゆっくり、できる」
浮き沈みする身体に合わせて、ベッドが軋む音と自分の深い息が、狭い元納戸に満ちた。
エアコンが効いたほどよい涼しさと、凛乃の手のあたたかさで、重く凝り固まっていた身体が弛緩してゆく。
力強い労いを満喫していると、遠くで、ちりん、と鈴の音がした。
かつてはそれを、幻だと思った。けれどいまでは、ふしぎにも切なくも思わない。姿は見えなくても、この家には猫がいる。
部屋に上がるまえの累とたっぷり遊んだから、いまごろ猫の親子はうとうとし始めているのだろう。彪吾のために取り付けた階段のベビーゲートのせいか、猫たちは積極的に2階に上がってくることはない。
「はい、おしまい」
「ありがとう」
「うん、午前半休」
「じゃあ、朝はゆっくり、できる」
浮き沈みする身体に合わせて、ベッドが軋む音と自分の深い息が、狭い元納戸に満ちた。
エアコンが効いたほどよい涼しさと、凛乃の手のあたたかさで、重く凝り固まっていた身体が弛緩してゆく。
力強い労いを満喫していると、遠くで、ちりん、と鈴の音がした。
かつてはそれを、幻だと思った。けれどいまでは、ふしぎにも切なくも思わない。姿は見えなくても、この家には猫がいる。
部屋に上がるまえの累とたっぷり遊んだから、いまごろ猫の親子はうとうとし始めているのだろう。彪吾のために取り付けた階段のベビーゲートのせいか、猫たちは積極的に2階に上がってくることはない。
「はい、おしまい」
「ありがとう」