北向き納戸 間借り猫の亡霊 Ⅱ 『溺愛プロポーズ』
 累はキャミソールの細いリボンストラップを肩先に落としたあと、重みを下からすくいあげつつ、親指の腹でまんべんなく撫でた。
 生地のひだの下から、存在を主張し始めたそれを探し当て、確かめるようにくるりとなぞる。
 つないだ手に力が入り、わずかに凛乃の肩が揺れた。
 累が口唇から離れて、耳、首筋へと動いていく。
 解放された呼吸は抑えようとしても乱れるばかりで、確実に攻めてくる指から逃げるように身をよじると、累の人差し指がゴムシャーリングの縁にかかった。
 真下にゆっくりと引っ張られる。
 ピコレースが最後まで抵抗して頂点にひっかかっていたけど、ついに、ぷわん、とはじける中身をこぼした。
「ん」
 こらえきれずに溜息を漏らすと、こすれた肌をいたわるようにてのひらが胸を包み込んだ。
 布越しとは別の刺激に声をあげそうになった凛乃は、左手で累にしがみついた。
「声、抑えないで」
 鼻先がこすれあう距離で、累が言った。
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