独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
外灯で照らされた葵の顔に、暗い影が落ちる。
瞬きする暇もなく、葵の唇にやわらかい唇が重なった。

「ん……」

ゆっくりと離れていく唇を、思わず目で追ってしまう。

「須和さん……」

「こんなところは絶対に見せられないけどね」

須和はわずかな距離で笑うと、そのまま彼女の耳元でそっと囁く。

「今のは二人だけの秘密。いい?」

「……っ」

小さく頷くと、須和はそんな彼女を愛でるように頭をなでる。
くすぐったいような、恥ずかしいような……なんとも言えない感覚に、葵の身体が熱くなった。

(今までこんな風に触れられたことなかった……)

「そうだ。葵ちゃん、明日は空いてる?」

「! は、はい……明日は事務作業をするだけなので、夕方からなら」

「分かった。じゃあ、夜ご飯でも一緒に食べに行こう。
半年会ってなかったし、色々話も聞きたいんだ」

「はい、是非……」

「じゃあ、連絡先交換ね」
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