独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
須和は一瞬何かを考え、葵に断りを入れて電話に出る。

「……ああ、今か、テナントの寿司屋にいる。今は葵ちゃんといるんだ、うん」

(!? 今私の名前……?)

須和の知り合いに自分のことを知っている人がいただろうか。
葵は不思議に思いながらも、須和が電話を切るのを待った。

「……葵ちゃん、本当に急で申し訳ないんだけど、ここに今から一人同席してもいいかな?」

「えっ、はい! もちろん」

少しだけ残念に思う葵だったが、ニッコリと口角を上げる。

「君にどうしても会わせたい人がいて」

「会わせたい人……?」

「僕の友人なんだけど、この敷地内にある病院の医師なんだ。すぐに来れるっていうから、君と話をしてもらいたくてね」

「病院の先生が……? 分かりました」

(須和さんのお友達で先生なんだ。どんな人なんだろう)
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