独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
少々戸惑いはするものの、葵は余裕がない須和をちょっとだけ可愛く感じる。

一旦仕切り直し、葵とその男性は互いに自己紹介をすることになった。

「僕は日置立っていいます。隣にある総合病院の外科医。柾とは大学時代からの知り合い。
ちなみにこの敷地内にあるレジデンスに住んでいて、柾の下の階でーす」

「そうなんですか!? すごい仲がいいんですね」

「そっ、俺たちすっごく仲が良いの」

「……」

(住んでるところも一緒なんて……って、あれ? 私、この人の名前聞いたことが……)

「あ、私は天馬葵です。須和さんの……」

言いかけたところで、立はニヤニヤと笑みを浮かべる。

「あーとうとう。
葵ちゃんのこと、僕知ってるよ。柾からたーっぷり聞かされてきたからね♥」

「……そうなんですか? 須和さんから?」

「おい、今はそんな話はいいから早く本題に入ってくれ」

須和の凄みの効いた声に立は楽しげに笑うと、葵にジッと視線を向けた。

(立さん……?)

「んじゃあ単刀直入に言うと、葵ちゃんのお父さんの手術を僕がやってあげよっかなって」
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