独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
「えっ……立さんが!?」

「うん、柾からざっくり話は聞いたよ。僕の専門は脳神経だし超ラッキーだったね。
腕はそんなに悪くないと思うから安心して」

「……」

(やっぱりそうだ。立さん、脳神経外科医の中でも腕はトップクラスで、私が病院に連絡した時は門残払いされちゃった人……)

「ホントに……いいんですか?」

葵が恐る恐る尋ねると、立はニッと口角を上げて頬杖をついた。
こんな状況なのに、甘ったるい雰囲気が漂ってくるのはなぜだろう。

「いーよ? 柾の彼女だし、葵ちゃん可愛いくていい子そうだし、特別に手術してあげる」

「……立」

須和はそんな立に向かって小さく舌打ちをした後、葵に目を向ける。

「一刻も早くおじさんを転院させよう。葵ちゃん」

「須和さん……」
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