独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
(二人とも、すごく優しい。私の知らないところでこんな風に動いてくれてたなんて……)

「本当に、須和さんも立さんもありがとうございます。なんてお礼を言ったらいいか」

葵が深々と頭を下げると、須和が横に立って顔を覗き込んだ。

「あとは立や病院の人に任せよう。葵ちゃんは弱ってるおじさんのそばにいて元気を与えてあげて」

「……ありがとうございます」

(本当によかった……)

視線を絡ませて二人が微笑んでると、立はクスッと鼻で笑う。

「いいなー、二人はラブラブで。僕も彼女欲しくなってきたかも。誰か紹介してよ柾」

「……お前は作ろうと思えばすぐにでも作れるだろ。うちの会社にもファンが大勢いるんだから」

「つっても、普通じゃつまんないし。時間の無駄じゃん」

(確かに、チャラいところ以外を見れば......立さんはカッコイイし、腕の良いお医者さんだからモテるんだろうな)

ぼんやり思いながら葵が立の顔を見つめていると、ふいに茶色い瞳と視線が重なった。
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