独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む

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その翌日、SUWAビル内ではーー。

「ねぇ、とうとう社長、本命彼女ができたらしいよ！」

「えっ、嘘でしょ！？　あの独身貴族の社長が！？」

若い女性社員が化粧室の鏡に並び合って、噂話に花を咲かせている。

昨晩、このオフィスの持ち主であり、『須和第一不動産』の代表取締役、
須和社長と若い女の子が手を繋いで歩いていたとの目撃情報が多数あり、
SUWAビル内では大騒ぎになっていたのだ。

名誉も財産も、ルックスも兼ね備えた男は、
一体どんな女性を選んだのかと社員たちは興味津々である。

それに。

「やっぱあの噂ホントだったんだね。梨々香さんはカモフラージュって話」

「そうでしょー、見れば分かるじゃん。お熱を上げてるのは彼女だけだって」

梨々香と須和は古くからの友人で、同じレジデンスに住み、同じ会社に入社し……時々親し気に腕を組んでいたりして、一見、完全なカップルだ。

しかし社員の中には、須和の冷ややかな態度と、交際を明言しないことを感づき、
これはやらせなのではと、以前から噂されていた。

「梨々香さん、これからどうしてくのかなぁー」

「いくら強い人でもさすがに傷つくでしょー」

女性たちが笑い合ってると、トイレの個室ドアがギィ……と開く。