独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
「何……?」

「……」

「おじさんの腫瘍を摘出できる医師を見つけたので、今日はそのご相談に来たんです」

ただ遊びに来たと思っていた須和が手術の話を持ち出したため、利光は言葉を失う。
須和は一通り今後の流れを説明し、真剣な眼差しを利光に向けた。

「どうでしょうか、おじさん」

「どうでしょうかって、お前……」

「……」

(喜ばしいことだけど、いきなり聞いたらビックリするよね)

病室の確保、手術の保証に加え、須和は保険が適用できない費用は全て肩代わりすると申し出た。
ベリーヒルズビレッジの総合病院は日本有数の高級病院であり、入院費はどうしても他の市民病院に比べてかかってしまうからだ。

「ありがたい話だけど、お前さんにそこまでしてもらうなんて申し訳なさすぎるよ」

「申し訳ないなんて、思わないでください。おじさんは僕にとってとても大切な人です。
それに……僕の大切な人のお父さんでもあるので」

「大切な人……」
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