独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
葵はすぐに走っていき、扉を開ける。

「!」

「葵ちゃん、久しぶり♥」

キラキラと眩しい笑顔を放ち、扉の前に立っていたのは白衣姿の立だ。

緊張のままに葵が「お久しぶりです」と言うと、彼はチラリと部屋の奥に目をやった。

「葵ちゃんのお父さんいるよね? ご挨拶に来たんだけど、今いいかな」

「えっ、わざわざありがとうございます! どうぞこちらへ」

「ありがと」

やわらかく笑いかけてきた立は、以前寿司屋で会った時よりも大分落ち着いている。
どうやら、仕事とプライベートのオンオフがハッキリしてるらしい。

(いつもこんな感じなら、もっと仲良くできると思うんだけどな)

そんなことを思いながら、葵は二人のやり取りを眺めていた。

「そうでしたか……それは大変でしたね」

利光の症状を真剣に聞いた後、立は優しい笑みを浮かべる。

「でも大丈夫です、手術が終われば症状は大方消えますからね。僕に任せて下さい」

「ありがとな、先生。本当に本当にありがとう」

「いいんですよ、お代は高く頂こうかなと思ってますから」

「またまた~酷い先生だな」

冗談を言い合う二人の姿に葵がほのぼのしていると、ふいに立が葵を見た。

(えっ……)

ほんの一瞬だが、彼はあの時のような薄い笑みを浮かべた気がした。
心臓が反射的に跳ね上がり、楽しい気持ちがスッと消えていく。
< 123 / 209 >

この作品をシェア

pagetop