独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
「えっ……」

全く想定していなかったことを言われて、葵の心臓が跳ねた。

「立にあんなこと言われて、なんですぐに言ってくれなかったの?」

「……っ」

本当にその通りだ。真っ先に須和に相談していたらこんなことになってはいないだろう。

「……冗談だと思いたくて……柾さんが聞いたら嫌な気持ちになるかと思って」

素直に口に出すと、よけいに間違った判断をしたと痛感した。
須和は「そうか……」とこぼして、葵の頭を優しく撫でている。

「……他には?」

「え?」

「僕のいないところで、うちの親父に何か言われたことは?」

「!」

須和は視線で答えを言うように促している。
葵は、天馬堂で須和と梨々香と義則が三人で訪れた日を思い起こしていた。

『あまり下手なマネをされると、ただではおかないよ。
あいつにはもう決まった女性もいることだし』

『先ほど来ていた、梨々香だ。お似合いだっただろう』

(あの時、柾さんのお父さんに言われて私は……二人が付き合ってるって思った)
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