独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
「えっ……!?」

(恋人のフリって……)

葵にとっては大きな衝撃だった。
息を呑むと、須和は今まで梨々香との間にあった経緯を話し始める。



須和第一不動産が不況のあおりを受けた時に、
梨々香の父が経営する羽柴コーポレーションが経営難を助けてくれたこと。

表面的には対等な関係を見せていたが、実質立場的格差があり、
羽柴コーポレーションの無理難題にも須和の会社が数々対応してきたこと。
娘の梨々香は須和を気に入り、付きまとい、脅しまでかけてきたこと。

経営が上向きになり立場が逆転すると、そう言った業務上の無茶はなくなったが、
梨々香の付きまといは変わらなかったという。

須和が一度本気でやめるように言うと、
恋人のフリでもいいから傍にいさせて欲しいと泣いてすがったそうだ。
須和もその根気に負け、面倒な誘いを断わるために、時々恋人のフリをして見せていたという。

「ただ、いくら言われても君と結婚はできないと伝えていた。
ここまで付きまとわれていい感情が生まれるわけがない」

「それでも梨々香さんは……」

「僕といたいんだろうね、それに僕も女性に対して恋愛感情を抱くことがないことを悟り、いつかはと思ってたんじゃないかな」
< 146 / 209 >

この作品をシェア

pagetop