独占欲に目覚めた御曹司は年下彼女に溢れる執愛を注ぎ込む
ニッキーが呼んだ要人たちは須和の知り合いも多く、挨拶をしてるうちにパーティはスタートした。
オーナーであるニッキー、妻のミッシェルの挨拶が終わった後、ベリーヒルズビレッジに店舗を構える高級飲食店のステーキショーがあったりと、大いに盛り上がりを見せる。

一時間ほどが経った頃だろうか、知り合いのヨーロッパの富豪と話していると、会場の端で人だかりができ始めていた。

(なんだ?)

須和がチラリと視線を送ると、人だかりの向こうに須和のよく知る顔が見える。

「葵?」

葵は真っ赤な着物を着て、優雅に微笑んでいる。
隣には従業員の男を連れ、葵自身が手土産を一つ一つ客人に配っているのが見えた。

「柾、君の知り合いなのか?」

「……ああ」

「美しい娘だな」

「……」

須和は何も言うことができず、葵を見つめた。
堂々とし、物怖じせずに流暢な英語を使いこなす葵は、今までで一番逞しく思える。

すると土産を配り終えた葵の横に、アラブ系の長身の男が立った。
葵にこっそり耳打ちをし、艶やかな眼差しを彼女に向けている。

「誰だ……」
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