エリート脳外科医の溢れる愛妻渇望~独占欲全開で娶られました~
 一方の貴利くんは、食事中にふさわしくないような話をしておきながら気にすることなくお肉をパクパクと口に運んでいる。

 私はというと、さっきの話で肉を食べる気が一気に失せてしまった。せっかく美味しく食べていたローストビーフ丼もそれ以降は喉を通らなくなり、残りは貴利くんがぺろりと食べてくれた。

 しばらく肉は食べられないかもしれない……。

 私にそんな後遺症を与えておきながら、何食わぬ顔で肉を食べ続ける貴利くんに少し腹が立つ。

 やっぱり貴利くんは貴利くんだ。

 空気が読めずに無神経。あらためて、私はこの人が苦手だと思った。



 肉バルを出たあとは、隣接するカフェに入った。誰かさんのせいで途中からお肉を食べられなくなってしまったため、まだ少し空腹な私は甘いケーキを食べることにした。満腹な貴利くんはコーヒーだけだ。

「そういえば、私に渡したいものがあるって言っていたけど何? 今貰うよ」


 この前そんなことを言っていたなぁとふと思い出したので尋ねてみた。でも、婚姻届や結婚情報雑誌のような類のものなら速攻で突き返すつもりだ。
 
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