別れたはずの御曹司は、ママとベビーを一途に愛して離さない
***
それから数週間が過ぎた。私の生活は相変わらずだが、ふと如月様の件を思い出すことがある。
あれはあくまで私の予想に過ぎないし、真相を知ったところで私がどうこうできる問題ではない。ただ願わくば、あの桜のケーキで少しばかりの幸福を感じてほしいというのが私のささやかな願いだ。
「凛子ちゃん、ちょっといいかな?」
「あ、はい」
ぼんやりと如月様のことを考えながらケーキのデザイン画を製作中の私に岬オーナーが声を掛けてきて、目の前の席へと腰を下ろした。
「凛子ちゃんにお願いがあるんだ」
「なんでしょうか?」
「来週、凛子ちゃん指名で星野グループの会長夫人からケーキのオーダーを受けてるだろ? その星野グループの創立記念パーティーにうちの店の代表として参加してほしいんだ」
「え? 私ですか?」
まさかのお願いに動揺が走り、思わず声が上擦った。
それから数週間が過ぎた。私の生活は相変わらずだが、ふと如月様の件を思い出すことがある。
あれはあくまで私の予想に過ぎないし、真相を知ったところで私がどうこうできる問題ではない。ただ願わくば、あの桜のケーキで少しばかりの幸福を感じてほしいというのが私のささやかな願いだ。
「凛子ちゃん、ちょっといいかな?」
「あ、はい」
ぼんやりと如月様のことを考えながらケーキのデザイン画を製作中の私に岬オーナーが声を掛けてきて、目の前の席へと腰を下ろした。
「凛子ちゃんにお願いがあるんだ」
「なんでしょうか?」
「来週、凛子ちゃん指名で星野グループの会長夫人からケーキのオーダーを受けてるだろ? その星野グループの創立記念パーティーにうちの店の代表として参加してほしいんだ」
「え? 私ですか?」
まさかのお願いに動揺が走り、思わず声が上擦った。