御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
「君が俺の目の前からいなくなったのは、きっと親父の差し金だと気がついた。さすがの俺も頭にきて、今度ばかりは言いたいこと言わせてもらったよ」
はぁ、とため息をついて蓮さんが小さく苦笑いする。
「今まで親父の言う通りにやって来たんだ。結婚相手くらい自由に選ばせてくれ、じゃないと会社を継がない、親子の縁も切るってね。ちょっと大人げなかったって思うが……人生で一回くらいこんなわがまま言ったっていいだろ?」
蓮さんの大胆な行動に驚いて絶句していると、蓮さんはひょいっと悪戯っぽく肩を竦めた。
「でも、お父様は納得しないんじゃ……」
私のせいで蓮さんの親子関係に亀裂が入ったら、と思うと私も辛い。やっぱり身を引いた方が事を荒立てなくて済むのでは……と不安げにしていると、意外にも彼の口元には笑みが浮かんでいた。
「それで親父はなんて言ったと思う?」
「なんてって……やっぱり怒られたんじゃないですか?」
「そうじゃない、その反対だ」
蓮さんの話によると、彼のお父様も若かりし頃、どこの令嬢でもない普通の家庭で育ったお母様との結婚に有栖川の両親から大反対されたという。
「自分も俺と同じようなことを両親に言った覚えがある。やっぱり血は争えないなぁって呑気に笑ってたよ」
「それでお父様はその後、お母様と幸せになれたんですか?」
「あぁ、渋々結婚を許してもらって俺がいる。母は元々病気がちで俺を産んですぐに亡くなったが……そのことを親父は密かに後悔していた。結婚した後も分家からの嫌がらせがひどかったみたいだしな。もっと快く有栖川家に迎え入れていれば、気に病むこともなかったのにって」
たぶん、蓮さんのお母様は反対を押し切って有栖川家に嫁いだことでかなり苦労したんだと思う。誰にも相談できないことをひとりで悩んでいたんじゃないかと思うと胸が苦しい。
はぁ、とため息をついて蓮さんが小さく苦笑いする。
「今まで親父の言う通りにやって来たんだ。結婚相手くらい自由に選ばせてくれ、じゃないと会社を継がない、親子の縁も切るってね。ちょっと大人げなかったって思うが……人生で一回くらいこんなわがまま言ったっていいだろ?」
蓮さんの大胆な行動に驚いて絶句していると、蓮さんはひょいっと悪戯っぽく肩を竦めた。
「でも、お父様は納得しないんじゃ……」
私のせいで蓮さんの親子関係に亀裂が入ったら、と思うと私も辛い。やっぱり身を引いた方が事を荒立てなくて済むのでは……と不安げにしていると、意外にも彼の口元には笑みが浮かんでいた。
「それで親父はなんて言ったと思う?」
「なんてって……やっぱり怒られたんじゃないですか?」
「そうじゃない、その反対だ」
蓮さんの話によると、彼のお父様も若かりし頃、どこの令嬢でもない普通の家庭で育ったお母様との結婚に有栖川の両親から大反対されたという。
「自分も俺と同じようなことを両親に言った覚えがある。やっぱり血は争えないなぁって呑気に笑ってたよ」
「それでお父様はその後、お母様と幸せになれたんですか?」
「あぁ、渋々結婚を許してもらって俺がいる。母は元々病気がちで俺を産んですぐに亡くなったが……そのことを親父は密かに後悔していた。結婚した後も分家からの嫌がらせがひどかったみたいだしな。もっと快く有栖川家に迎え入れていれば、気に病むこともなかったのにって」
たぶん、蓮さんのお母様は反対を押し切って有栖川家に嫁いだことでかなり苦労したんだと思う。誰にも相談できないことをひとりで悩んでいたんじゃないかと思うと胸が苦しい。