御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
「どうだ? サプライズになっただろ?」

それは、車のような革張りのシートにふんわり置かれた純白のウェディングドレスだった。オフショルダーから広がるシースルーのロングスリーブに胸元は花弁びらの刺繍がゴージャスに施されている。

見間違いじゃないよね? どうしてウェディングドレスがここに?

「すまない、ヘッドセットがないからもっと傍に寄ってくれ」

「あ、はい」

腰を引き寄せられると、グッと蓮さんとの密着度が増してドキリとする。

「じゃあ、頼むよ」

蓮さんが少し大きな声でパイロットに合図すると、「ラジャー」と親指を立てた。

乗降用のドアが閉められ、休む間もなく離陸していく。

ヘリは有栖川が所有しているグレードの高い機体でナイトクルージングにも利用されているというから狭苦しいという印象はなかった。そして、あっという間にヘリがベリーヒルズビルディングから飛び立つと、眼下に街の照明が光の粒となって幻想的な夜景が浮かび上がる。
< 118 / 123 >

この作品をシェア

pagetop