御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
彼はBisの常連さんなのか、ここの店の料理のことをよく知っていた。色々教えてくれて、マウンティングの取り合いのような会話よりも断然楽しい。
「あの、お名前をお伺いしてもいいですか? あ、私は高杉春海って言います。春の海で春海です」
「春の海か、いい名前だな」
この会場の雰囲気とスペックの高さにガチガチに緊張していたけれど、不思議と彼と一緒にいると気持ちが楽になった。他愛のない話題でもしっかり耳を傾けてくれるし、逆につまらない話にも食いついて質問してきた。彼は話していて楽しい人だった。もう二度とこんなイケメンと接する機会もないだろうと、一緒に写真まで撮ってもらった。
「俺は蓮。苗字は……長ったらしいから名前でいいよ」
いきなり下の名前で呼ぶのもなんだか気恥ずかしいけれど、どうせここにいる間だけだ。
「はい、じゃあ蓮さんですね」
そう言ってニコリと笑うと、彼も優しい笑みを返してくれた。と同時に彼のポケットからスマホが鳴る。
「ちょっと失礼」
私に背を向け手短に電話を終えると、すまなそうに眉尻を下げた。
「すまない。もう行かないと」
「そうですか……」
残念! もう少し蓮さんと話していたかったなぁ。
この人もベリヒル族なんだろうけど、全然嫌味な感じもしないし優しいし、いい人……って、だめだめだめ! 騙されるな、洋司さんだって初めはこんな感じだったじゃない。
その場を後にする蓮さんの背中を見つめ、私は小さく手を振った。
「あの、お名前をお伺いしてもいいですか? あ、私は高杉春海って言います。春の海で春海です」
「春の海か、いい名前だな」
この会場の雰囲気とスペックの高さにガチガチに緊張していたけれど、不思議と彼と一緒にいると気持ちが楽になった。他愛のない話題でもしっかり耳を傾けてくれるし、逆につまらない話にも食いついて質問してきた。彼は話していて楽しい人だった。もう二度とこんなイケメンと接する機会もないだろうと、一緒に写真まで撮ってもらった。
「俺は蓮。苗字は……長ったらしいから名前でいいよ」
いきなり下の名前で呼ぶのもなんだか気恥ずかしいけれど、どうせここにいる間だけだ。
「はい、じゃあ蓮さんですね」
そう言ってニコリと笑うと、彼も優しい笑みを返してくれた。と同時に彼のポケットからスマホが鳴る。
「ちょっと失礼」
私に背を向け手短に電話を終えると、すまなそうに眉尻を下げた。
「すまない。もう行かないと」
「そうですか……」
残念! もう少し蓮さんと話していたかったなぁ。
この人もベリヒル族なんだろうけど、全然嫌味な感じもしないし優しいし、いい人……って、だめだめだめ! 騙されるな、洋司さんだって初めはこんな感じだったじゃない。
その場を後にする蓮さんの背中を見つめ、私は小さく手を振った。