御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
いきなりのプロポーズに、結局私は……何も答えることができなかった。しかもキスまでしてしまった。いや、されたというか。

「絵里さん、男の人って付き合ったこともない人といきなり結婚なんてできるものなんでしょうか?」

「……は?」

突拍子もない私の質問に絵里さんは面食らった顔で「どうしちゃったの?」と首を傾げた。

うちの両親はお見合い結婚だった。初めて顔を合わせて一週間で結婚した。そして七人も子どもができて、年を重ねた今でもラブラブだ。お互いにケミストリー値が高かったんだろうけど。

二十四歳は決して結婚に早い歳じゃない。次女の夏海なんて二十歳のときに同級生と結婚した。だから私もいつか素敵な人に巡り合って結婚したい。という願望はある。

お父さんとお母さんになんて言えば……有栖川家のご子息と結婚することになりました~って?

いやいや、まだ返事したわけじゃないし!

君をどうしても手に入れたいって言われても……やっぱりいきなり結婚だなんて気持ちがついて行けない!

あぁ~どうしたらいいの?
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