御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
店内は大きく二つのスペースに分けられていて、手前はシルク、ファッションアクセサリー、テーブルウエア、ジュエリー、時計のサロンを含むコーナー。奥にはプレタポルテを中心としたメンズとレディスのコーナーで構成されている。高さを上げた天井は奥に進むほど低くなるスロープ状となっていて、店舗の奥から入り口がより開放的に見える視覚効果でダイナミックでモダンな印象受けた。

「かしこまりました。申し訳ありませんが、ただいま大変混み合っておりましてお作りするのにだいたい一ヶ月ほどお時間を頂戴しておりますが……」

え? お作り? ちょっと待って、なんか変だなって思ったんだけど……まさかオーダーメイド?

てっきり私の好みの情報を元に店内にあるドレスをいくつかピックアップするものだとばかり思っていた。

一点もののオーダーメイドなんて! 一体いくらするんだろ……あぁ、想像するだけでも目眩してきた。

「あぁ、構わない。いい仕上がりを期待してる」

「有栖川様、いつもご贔屓にありがとうございます」

いつの間にか店長さんまで出てきてペコペコと挨拶をしている。そしてしばらく蓮さんは店長さんとなにやら話し込んでいた。
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