御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
「れ、蓮さん!?」

遠方に出張へ出かけたはずの蓮さんが目の前でにこやかに笑っている。信じられなくて、なにか言おうとしたけれどうまく言葉が浮かんでこなくて、結局わずかに唇を上下させて目を瞠ることしかできなかった。

「どうしてここに? だって、今夜は遅くなるって……」

「緒方から今日が君の誕生日だって聞いた。とにかく間に合ってよかった。お祝いしよう」

まさか、そのためにわざわざ帰ってきてくれたの?

これからひとり寂しくケーキを食べて、あのボロいアパートで二十五歳の誕生日を過ごすとばかり思っていたのに、蓮さんと一緒に誕生日を祝えるなんて。

嬉しすぎる!

「蓮さん、大好き!」

ひと目も憚らず、あまりの感激に私は蓮さんに飛びついた。

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