御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
「すまない、ちょっと無理させたか?」

脱力してベッドに顔を埋めていると、頭をやんわり撫でられる。顔をあげなくても蓮さんが優しく微笑んで私を見つめているのが想像できて、愛おしさがこみあげた。

私は密かに情事の後のピロートークが好きだった。甘い声で囁かれて優しく撫でられて、それが蓮さんからだと思うと、身体を重ね合っているときの幸せとはまた違う幸せを実感できるから。

「平気です」

もぞもぞと身じろぎして蓮さんに顔を向けると、柔らかい唇が額に降ってきた。

「出張で帰りが遅くなるって言ってたのに、びっくりしました。どうして私がショッピングモールにいるってわかったんですか?」

「緒方も君が今日誕生日だってこと、もっと早く教えてくれればよかったんだ。夕方になっていきなり電話で『そういえば~』なんて言うもんだからプライベートジェットですっ飛んで帰ってきた」

は!?

プ、プライベートジェットって、やることが大胆過ぎる……。

「それに、ベリーヒルズビレッジには警備員として、有栖川家のSPがウロウロしてる。
だから君を見つけることなんて簡単さ」

そう言って、蓮さんが腰にタオルを巻きつけ部屋を出て行く。そしてしばらくすると、手に長細い箱を持って戻ってきた。

「これ、開けてみてくれ」

「え?」

差し出された一見高級感漂う白い箱。身を起こし、それを受け取ってゆっくりと中を開けて見る。

「あ! これ!」
< 72 / 123 >

この作品をシェア

pagetop